2019年から変わる相続方法は、具体的にどう変わるのかをご説明します!

今回は、2019年から変わる相続方法について、具体的にどう変わるのかをご説明します。

2019年から順次施行される相続に関しての改正を出来るだけわかりやすくお伝えします。

少し長くはなりますが、相続は多くの方が関係してくるので、是非ご確認下さい。

それではいきます!

平成30年7月に相続法が大きく改正されました。

この改正により、例えば残された配偶者が安心して安定した生活を過せるようにするための方策などが導入されることになりました。

今回の改正により、自分が亡くなったとき、あるいは家族が亡くなったときに生じる相続に関して、どのような点がどうのように変わったのかを見ていきましょう。

相続の何が、どう変わるのか?

配偶者居住権や自筆証書による遺言書の保管制度など新たな制度が設けられました。

相続法の改正の主な内容

①配偶者居住権の創設

配偶者居住権は、配偶者が相続開始時に被相続人が所有する建物に住んでいた場合に、終身または一定期間、その建物を無償で使用することができる権利です。

これは、建物についての権利を「負担付の所有権」と「配偶者居住権」に分け、遺産分割の際などに、配偶者が「配偶者居住権」を取得し、配偶者以外の相続人が「負担付の所有権」を取得することができるようにしたものです。

上記のとおり、配偶者居住権は、自宅に住み続けることができる権利ですが、完全な所有権とは異なり、人に売ったり自由に貸したりすることが出来ない分、評価額を低く抑えることができます。

このため、配偶者はこれまで住んでいた自宅に住み続けながら、預貯金などの他の財産もより多く取得できるようになり、配偶者のその後の生活の安定を図ることができます。

残されたご家族の負担が減る、良い改定です。

②自筆証書遺言に添付する財産目録の作成がパソコンで可能になる

これまで自筆証書遺言は、添付する目録も含め、全文を自書して作成する必要がありました。

その負担を軽減するため、遺言書に添付する相続財産の目録については、パソコンで作成した目録や通帳のコピーなど、自書によらない書面を添付することによって自筆証書遺言を作成することができるようになります。

今の時代にあった改正で、遺言書作成の負担も減ります。

③法務局で自筆証書による遺言書が保管可能になる

自筆証書による遺言書は自宅で保管されることが多く、せっかく作成しても紛失したり、捨てられてしまったりと、書き換えられたりするおそれがあるなどの問題がありました。

そこで、こうした問題によって相続をめぐる紛争が生じることを防止し、自筆証書遺言をより利用しやすくするため、法務局で自筆証書による遺言書を保管する制度が創設されます。

これは便利で確実な制度なので、是非利用したい制度です。

④被相続人の介護や看病に貢献した親族は金銭請求が可能になる

相続人ではない親族(例えば子の配偶者など)が被相続人の介護や看病をするケースがありますが、改正前には、遺産の分配にあずかることはできず、不公平であるとの指摘がされていました。

今回の改正では、このような不公平を解消するために、相続人ではない親族も無償で被相続人の介護や看病に貢献し、被相続人の財産の維持、または増加について特別の寄与をした場合には、相続人に対し、金銭の請求をすることができるようにしました。

よくドラマなどで取り上げられますが、この制度のおかげで、揉め事が減るかもしれません。

⑤配偶者短期居住権

配偶者短期居住権は、配偶者が相続開始時に被相続人が所有する建物に居住していた場合に、遺産の分割がされるまでの一定期間、その建物に無償で住み続けることができる権利です。

配偶者短期居住権は、被相続人の意思などに関係なく、相続開始時から発生し、原則として、遺産分割により自宅を誰が相続するかが確定した日(その日が相続開始時から6ヶ月を経過する日より前に到来するときには、相続開始時から6ヶ月を経過する日)まで、配偶者はその建物に住むことができます。

また、自宅が遺言により第三者に遺贈された場合や、配偶者が相続放棄をした場合には、その建物の所有者が権利の消滅の申し入れをした日から6ヶ月を経過する日まで、配偶者はその建物に住むことができます。

⑥自宅の生前贈与が特別受益の対象外になる方策

結婚期間が20年以上の夫婦間で配偶者に対して自宅の遺贈または贈与がされた場合には、原則として、遺産分割における計算上、遺産の先渡し(特別受益)がされたものとして取り扱う必要がないこととしました。

すなわち、改正前には、被相続人が生前、配偶者に対して自宅の贈与をした場合でも、その自宅は遺産の先渡しがされたものとして取り扱われ、配偶者が遺産分割において受け取ることができる財産の総額がその分、減らされていました。

そのため、被相続人が、自分の死後に配偶者が生活に困らないようにとの趣旨で生前贈与をしても、原則として配偶者が受け取る財産の総額は、結果的に生前贈与をしないときと変わりませんでした。

今回の改正により、自宅についての生前贈与を受けた場合には、配偶者は結果的により多くの相続財産を得て、生活を安定させることができるようになります。

☆最後まで読んで頂いた方、ありがとうございました!

Follow me!